JICA教師海外研修特別支援教育チーム







2011年の夏、宮城県へボランティアに行った帰り、当時の新聞の社説に次のような記事が載っておりました。

~避難所で食事の用意をする彼女は、津波で母親と弟を亡くしました。大切な家族をなくした少女に周囲も気づかい、いろいろと声をかけます。ある時、将来の夢が話題になりました。少女に将来の夢を聞くと「私、大きくなったら、結婚してお母さんと弟を産むの」~

当時、この記事を読んだ私は、胸をかきむしられるような思いをしました。筆舌に尽くせない被害を生み出した、東日本大震災。今もその爪跡は深く残っています。長期避難生活に疲れ果て、未来に希望を失っている人、放射能汚染に苦しむ人など何千、何万人にも及ぶと言われています。一方で、この大震災をきっかけに、たくさんの義援金が集まり、数え切れないほどのボランティアが生まれ、復旧・復興への支援の輪が広がりました。人と人とのつながり、絆がこれほどまで大切にされた年はなかったのではないでしょうか。

そんな折、JSEN 教師海外研修(JICA)特別支援教育チームは生まれました。 JICA(独立行政法人 国際協力機構)が企画・実施する教師海外研修に参加したメンバーの中でも特別支援教育に携わる関東甲信越の教員が集まり、

①毎日、向き合う障がいのある児童・生徒達のために、お互いの実践を学びあい、さらに、力をつけて児童・生徒のために役立てよう。
②国内及び海外の特別な配慮の必要な児童・生徒のための支援をしていこう。

その実現のためには、関東甲信越の特別支援教育の教員だけではなく、全国の特別支援教育の教員や普通教育の教員、また、障がい児、障がい者の支援に携わる研究者の方々と連携していこうと今日まで活動をしてまいりました。 現在は、様々な分野、全国全世界のたくさんの方々と協力しながら、教育実践をとりまとまたり、国内外の研修やスタデツアーを企画・実施したりしております。

今回はその一端をホームページに掲載いたしました。今までご協力してくださった皆様に心から感謝の気持ちを込めてご報告させていただくと共に、新しくこのホームページをご覧になった皆様に少しでも興味を持っていただいたり、何か参考にしていただいたり、活用していただければ大変光栄です。

今後も私ども特別支援教育チームは、“楽しく” “役立つ”研究、研修を積み重ね、ご支援ご協力くださる皆様と共に力を合わせ、障がいのある方々に少しでも寄与できるよう活動してまいります。 今後も末永くご支援ご協力を賜りますようどうそよろしくお願い申し上げます。








                  JSEN教師海外研修(JICA) 特別支援教育チーム
                                 代表 藤原 英二